やはり、大山のおじさんはいい人だ。


「いいえ…」


と私はそれだけ答えた。


お祭りに着くと、やはりそこに出店などなかった。

出店がないお祭りなんで、全然お祭りらしくない。


「私達、中学のときからずっと毎年一緒にお祭り来てたよね」


麗香が言う。

そう、今までお祭りといえば麗香と一緒に行くものだった。

小学生までは、幼馴染みと総司と一緒だった。

でも、オタクの総司はいつも一人ではしゃいで、私を置いていくのでつまらなかった。

だけど、麗香とはとても気が合ったので、一緒にいるだけで楽しかった。