「三里…!」


麗香が私を止めようとするが、私は止めない。


「そもそも、お前達は狂っている!

大山のおじさんも、優しかったのに、どうして!

クレナイサマを崇める儀式が、今まで死んできた捧げ者の人達の命よりも、大切なの!?」

「三里!!」


今まで言いたかったことを言い切った私は、肩を上下させ、呼吸を整えた。

しばらくして、天宮のジジイがこう返事した。


「…ああ、その通りだ。

クレナイサマを崇めるためならば、我々はなんだってするよ。

殺人だって、な」

「なっ…!

お前…自分の娘を見殺しにして…まだそんなことを…!」


私がジジイの娘の天宮のことを口にすると、少しジジイは顔をしかめた。


「…?」


麗香が私の肩を揺さぶる。


「三里、もういいよ。

私、三里と最後にお祭り回りたいな」