途中、何度か私は「さっきお母さんと話してたことってなんだったの?」と麗香に問いただしてみたが、「なんでもないよ」とはぐらかされた。

一時間ほど話したあと、麗香は帰っていった。

麗香がいなくなっただけで、病室はとても静かになった。


「ねえ、お母さん。

さっき麗香と話してたこと、あれってどういうこと?」


私は、お母さんに聞いた。

すると、お母さんは俯いてこう言った。


「次の捧げ者はね……麗香ちゃんなの……」



目の前が真っ暗になった。


え…。


なんで…麗香が……。


「嘘だよね?」


私は再びたずねる。

お母さんは、首を横に振った。


「そんな…」


目の前が真っ暗になった。