医者の話によると、私はショックで数時間気を失っていたらしい。

しかし、特に怪我をしているわけではないが、念のため今日一日入院するハメになった。


「天宮…さん、殺されたの?」


私は、恐る恐るお母さんに尋ねる。

お母さんは、目を伏せて答える。


「ええ……」


やっぱり…。

きっと、今まで捧げ者を殺した人が、天宮を殺したんだ。


昨日まで、天宮なんて殺されてしまえと考えていた私。

しかし、こうして実際殺されてしまうと、私が殺したわけではないのに、何故だか胸の中で罪悪感に似た感情が生まれた。


死んじゃったんだ…本当に……。


初めて見た死んだ人。

それも、無残に殺された人…。


「………」


しばらく、沈黙が続いた。