目が覚めると、傍にお母さんがいた。
「三里…?!
目を覚ましたのね、よかった…!」
「お母さん……ここ…どこ?」
「病院よ」
お母さんは、私の額を優しく撫でながら答えた。
「突然倒れるから、びっくりしたわ」
倒れた…?
あ…そうか、私……今朝早くに新聞取りに行こうとしたら、目の前で天宮が死んでいて……。
それで、今までショックで気絶していたんだ…。
無残に殺された天宮の亡骸が脳内で鮮明に写し出され、私は今にも吐きそうになる。
「うっ…」
「三里、だ、大丈夫?
今、お医者さん呼んでくるからね」
そう言って、お母さんは部屋を出て行った。