その日の放課後、私は麗香と総司と三人で帰り道を歩いていた。


「まさか、天宮が捧げ者に選ばれるなんてね…。

自分の娘が殺されるかもしれないのに、天宮のお父さん何考えてるんだろう。

どうして、天宮を捧げ者に…」


麗香が呟く。


「顔が良いからじゃない?

ほら、今まで捧げ者に選ばれた人って綺麗な人ばかりだったし。

天宮も、まぁ、顔だけなら学年で心の次くらいに可愛いし」


と、私は適当に答える。

私は、麗香のほうが可愛いと思うけどね。

性格明るいし、目ぱっちりしているし。


「えっ、なんで綺麗な子ばっかり選ばれるの?」

「知らないよ、天宮の父親に聞いてよ」