そう言われたらそうだ…とでも言うかのように、天宮の取り巻きどもが顔を見合わせる。


「ちょ、ちょっとなんなのよアンタ!」


怒った天宮が、私にビンタをかまそうとする。


「ちょ!ななっ、何やってるの!!」


そこへ慌てた麗香が割り込んできた。


「ストップストップ!暴力は良くないよ!一体何があったのよ!」

「…」

「…」


麗香が追及してくるが、私と天宮は言葉を発さない。

そのとき、田岡先生が慌てた様子で教室に入ってきた。


「大変だぞ!天宮!!」

「え…なんですか、先生」


いつも冷静な先生が汗をかいて息を切らしているのは珍しい。

よっぽどのことがあったに違いない。


「お前が、次の紅祭りの捧げ者に選ばれたんだ……」