教室に入ると、総司の机がめちゃくちゃに荒らされていた。


「なんで…総司の机が………」


「だって、祟りは去年の儀式が失敗したから起こったんでしょ?

去年の捧げ者は常葉の妹じゃん。

だから、今回の祟りは全部常葉の責任でしょ?」


村の本部のリーダーの娘で、クラスのリーダー的存在の天宮可奈子が、長い髪をいじりながらそう言った。

天宮は可愛い顔をしているが、性格はこの学校で一番ブスだ。

だけど、親が村の中でもかなりの金持ちなので、誰も彼女には逆らえない。


取り巻きの頭悪そうな女子どもが、


「そうそう!」

「常葉が悪いのよ」


と言う。


「なんで、総司が妹の沙苗ちゃんの分の責任を負わなくちゃいけないの?

そもそも、去年の儀式が失敗したっていうのも、ただの噂に過ぎないじゃない」


と私は天宮に反論した。

天宮も私に言い返す。


「は?だってアイツの妹、去年の祭りから学校に来てないんでしょ?

それは、儀式に失敗したことに負い目を感じてるからじゃないの?」