「夫婦喧嘩じゃないし!」


私は否定したが、


「はいはい」


と軽くあしらう麗香。


私達が夫婦なんてありえない。

私達はただの腐れ縁の幼なじみ同士。

恋愛に発展する可能性なんてあるわけがない。


「そういえば、お前らさっき紅祭りの話してたよな」


総司が、話題を紅祭りに戻した。


「あー、そうそう。話してたよ。

今年の捧げ者の話!」


麗香が答える。


「ああ、小枝さんだったよな?今年の捧げ者」

「そうそう、あの美人の小枝さん!

でも、総司君は小枝さんになんて興味ないよね。

だって、総司君の未来のお嫁さんは三里だもんね~」


麗香がまた私達のことを茶化したので、私は、


「麗香!」


と怒ったが、麗香はそれでも私の顔を見てニヤニヤと笑う。

反省の色なしだ。