水曜日の夕飯。


「“クレナイサマの祟り”って、本当かしら」


ご飯を食べながら、お母さんが言う。


「今その話はよしなさい」


と、お父さんはお母さんに注意をした。


「でも、二人も捧げ者の子が殺されちゃったのよ?」

「君はいつもそんなくだらない噂を信じて…」


ため息を漏らすお父さん。


「あら、あながちただの噂じゃないかもしれないわよ」


お母さんがそう言うと、お父さんが思い切り食卓を叩き、目を見開き、今まで聞いたこともないような大きな、そして怖い声でこう言った。


「もうその話はやめろ!!」


いつもそんな大声を出すような人ではないので、驚いたお母さんは、


「ご、ごめんなさい…」


と謝って、またご飯を食べだした。