一体何事かと、みんな隣の教室へ向かう。


そこには、教室の真ん中で崩れ落ちる心の姿があった。


「嫌だ!捧げ者なんて、絶対嫌っっ!!

なんでっ……なんで私が選ばれちゃったの…!!!

嫌だよ、絶対殺される!殺される!!

他の二人みたいに、血まみれにされて、殺されちゃうよおおおおおおおおおおおおお!!

やだやだやだやだ、私、わた、わたし…嫌………。


死にたくない……死にたくないよおぉ………うっうっ、うっ、うっ…………」


泣いたり喚いたりする心の顔は、涙と鼻水で台無しになっている。

そんな心の周りにいる人達が、


「心…気持ちはわかるよ?」

「でも、村が決めたことだから仕方ないじゃん…」


と慰めにもならないような言葉をかけている。