そう、これでいい。

これでいいんだ。

私達の日常が、ようやく取り戻されたのだ。

あと、私達にできることと言えば、金曜日の儀式が無事に終わるのを祈るだけだ。


「へー、横井さんそんなこと言ってたんだ」


昼休み。

私が廊下でのことを話すと麗香はそう言った。


「だから、思っていたよりもみんなあんま話題にしていないんだ」

「うん、そう。

よく考えたら、私達考えすぎだったなって」

「ふーん、でもさあ…。

本当に、それでいいのかな?」

「え?」

「なんか…嫌な予感がするの」

麗香がお弁当を食べる手を止めた。

嫌な予感…?

「なにそれ。

なにを根拠に?」