暮れない夜、染まる紅(あか)

私が朝ご飯に手をつけたとき、ちょうどお母さんが帰ってきた。


「あ、ちょうど今起きてきたのね。

メモの意味なかったかしら?」

「あー、そのことなんだけどお母さん。

メモ残すより、スマホのアプリでさメッセージ送るやるあるでしょ。

それでさあ……」


私はメッセージアプリのことを話そうとしたのだが、お母さんに遮られてしまった。


「それより聞いた?

次のお祭りの捧げ者が決まったらしいわよ。

横井さんのところの娘さん。

あの美人な人!


今、そのことで村中が話題になっているわよ」

「あー……うん、聞いた」


私はそう返事をしたあと、味噌汁を飲んだ。

今日も、ただのお湯のようにしか感じられなかった。


「怖いわよねぇ。

また儀式をするなんて、村の本部は何を考えているのやら……」