放課後、麗香は日直の仕事があったので、私は一人で帰り道を歩いていた。


「三里」


私の名前を呼ぶ声がしたので後ろを振り返ると、そこには総司がいた。


「総司…!」

「一人か?」


総司の問いに、私は頷いた。


「うん、麗香は日直だから」

「危ないぞ。

もしかしたら、小枝さんを殺した犯人がうろついているかもしれないんだぞ」

「あ…そうだね」


総司が心配してくれたことに、私は不覚にもときめいてしまった。


「総司はさ……」

「ん?」


“私のこと、どう思っている?”


そう言おうとして、私はやめた。

今は、こんなことを聞くタイミングではない。

そう思い直したからだ。