暮れない夜、染まる紅(あか)

お兄ちゃんは、私に袋に入ったあるものを見せた。

それは、出店で買ったのであろうたこ焼きやフランクフルト、綿飴にカステラ焼き…。


「えっ、私が好きなやつばっかじゃん!

なにこれ差し入れ?

やったー!!」


お兄ちゃんのくせに、気が利くじゃん。


「だけど、食べるのはここじゃない」

「は、どゆこと」

「もうすぐ花火始まるだろ。

ちょっと外に出て食べようぜ」

「えっ、いいの!?

儀式は…」


確かに、私も外へ出たいけど…。


「いいっていいって。

確かに儀式は大切だと思う。

けど、俺としてはやっぱりお前にも祭りを楽しんでほしいんだ」


好きな女の子はお祭りでひとりぼっちにさせるくせに、お祭りよりも私の気持ちを優先してくれたんだ。

嬉しい。

私は、お兄ちゃんに抱きついた。


「お兄ちゃんありがとう!」