「うわっ、お兄ちゃんなんでいるのよ。

ここって私以外入ったらダメなんじゃないの?」


私がそう言うと、お兄ちゃんが不満そうにした。

「…なんか、思っていたよりリアクション薄いな」

「は?」


どうやら、私のリアクションが気に入らなかったらしい。

無断で入っておいて、何を言っているんだこのバカは。


「もう一回俺が部屋に入ってくるから、もっと驚いたリアクションしてくれ」

「何言ってんの」


呆れる私を無視して、お兄ちゃんは部屋を一回出て、また入ってきた。


「わー!なんでお兄ちゃんがここに!?

どうして!?信じられなーい!!」


私は、精一杯の演技をわざわざしてあげた。


「うーん、六十五点」


顎を触りながら、舐め腐った顔でお兄ちゃんが言う。


「お兄ちゃん、ふざけるのもほどほどにしてよ。

ていうか、今儀式やってるんだよ?わかってんの?

お祭りオタクのくせにそんなこともわかんないの?」