チッと聞こえないほど小さな舌打ちを鳴らし、私は神社の中へ入った。

儀式の部屋に入り、床に座り込む。


は〜、やっと男の異臭集団から解放された。


それにしても、この部屋なにもないな…。

あるとすれば、クレナイサマの像だけ。

刀みたいなのを構えているし、なんだか怖い。

こ、こんなところで一晩過ごせっていうの…?


「はあ…」


しばらく、私は部屋でじっとしていた。

なにもないし、暇だな…。

紅花で花占いでもしてやろうか。

そう思ったとき、部屋の外からギッギッギッと誰かが近づく音がした。

誰だろ…村の本部の誰かかな?


しかし、現れたのは、なんとお兄ちゃんだった。