「三里とか、全然恋愛対象じゃない。

あれは、アウトオブザ女だ」

「アウトオブザ女はひどすぎ」


照れ隠しとはいえ、そこまで言わなくても…。


「それより、大山のおばさんが話を広めたから、多分もう村中にお前が捧げ者をやること筒抜けだぞ」

「だよねぇ…」

私は大きなため息を漏らした。

「捧げ者なんかしたくないのに!」

「なんでそんなにしたくないんだよ。

いいじゃんか、毎年一人しか選ばれないんだぞ?

もっと光栄に思えよ」

「これだからクソタコお祭りオタクは。

お祭りは夕方から夜までなのよ!

その夕方から夜まで、ずうっと神社の中なのよ!

それどころか、次の日の朝まで出ちゃダメなのよ!

いやだ、ぜーったいいやだね!」


私は早口で本音をぶちまけた。