「おばさんの旦那さんが、村の本部の人なんだってよ。

旦那から聞いたんだろ」


なにそれ、初耳なんですけど…。


「その話、誰から聞いたの」

「三里」


お兄ちゃんがその名前を出した途端、私のお兄ちゃんからかいたいセンサーがビビっと反応した。

吾妻三里。

お兄ちゃんの好きな女の子だ。

私も小さい頃何度か遊んだことがある。

優しいし気が合うし、いい子だ。

あの人なら、私のお姉ちゃんになってもらってもいい。


「なんだよ、気持ち悪い」


お兄ちゃんが私を汚らわしそうに見る。

「え〜ひど〜い、これでもそこそこモテるのに。

そっか、三里ちゃんから聞いたのか〜へ〜。

てことは、三里ちゃんと今日もおしゃべりして帰ってきたんだ」

「帰ってきたんじゃない。

登校中のときだ。

てか、毎日一緒に帰ってるわけじゃないからな」


お兄ちゃんが言い訳をする。


「またまた言い訳しちゃって」