家に帰った。

私は荷物を放り投げ、ソファに思い切り倒れ込む。


はあ…なんで私がこんな目に…。


「つ、疲れた…」

私が呟いたとき、ちょうどお兄ちゃんが帰ってきた。


「なんでみんな私が捧げ者に選ばれたこと知ってんのよ…。

選ばれたのは昨日のことなのに!」


ソファを足で蹴りつけ、怒りをぶつける。



「なんか、大山のおばさんがバラしたらしいぞ」


そう言って、お兄ちゃんは制服のネクタイを解いた。

「はぁ〜!?

なんであのババアが!?」


大山のおじさんは優しい人だが、その妻の大山のババアは噂好きの口うるさいババアだ。

そのババアがバラしたとすれば、私が捧げ者に選ばれたという噂が尋常でないスピードで流れているのは、説明がつく。

だけど、なんでババアは私が捧げ者に選ばれたって知ってるのよ!