「お前が俺の妻になれば、もう捧げ者は必要ない。

捧げ者の女達が犯されることはないだろう。

あの男の望みが叶うのだぞ?」


…総司の、望みが、叶う?


「それに、私の妻となった女は永遠に生き続けることができる。

どうだ?

俺は知っている、お前がお前の友から自分の分まで生きてほしいと言われたことを。

お前の友の望みを、叶えてやろうとは思わないか?」


麗花の望みも、叶う……?


「い、いや…」


そんな話、信じられるわけない。


「なるほど、ではまた村に降りて女を食い殺してやろうか。

もちろん、お前も」

「!」


また…ってことは、お父さんが話してくれた昔話は本当だったんだ。

私が妻になることを拒否すると、村の女の人達が食い殺される。

私も、死ぬ。


そうすると、クレナイサマ信者の男の人達は、またクレナイサマの怒りをどうにかしようと、儀式を続けるに違いない。


総司と麗花の望みは、どちらも叶わない。