じゃあ、こいつが本当に…クレナイサマ……。

まさか、本当にいるなんて思っていなかった。

だって、こんな、こんなこと…信じられない!

信じろっていうほうがバカげてる!


「あの男を殺めたことといい、俺に対する態度といい、気に入った。

お前のことを俺の妻にしてやろう」

「は?

な、何言ってる…の」

「聞こえなかったか?

お前を、俺の妻にしてやると言ったんだ」

「…あなた、処女は嫌いなんじゃなかったの?」


総司の話からすると、クレナイサマは処女が嫌い。

だから、本部の人達は捧げ者を犯してきた。

そのはずだ。


「ああ、確かにあまり処女は好かぬ。

だが、俺はお前の今の姿に惚れたのだ。


紅い血を浴びたお前は、とても美しい」


返り血を浴びた私が美しい?

こいつ、頭がおかしい。