私の服も、総司の返り血で紅くなっていた。

総司はもう、動かなかった。


さあ、ここを抜けて家に帰ろう。

でも、こんな姿だとお父さんとお母さん驚いちゃうな。

はあ…なんて言おう。


…待てよ。

何かがおかしい。


私は辺りをぐるっと見渡す。


「ここ…どこ?」


私がいるところは、全く知らない場所だったのだ。


歩いても歩いても、ずっと、ずっと、ずっと、ひたすら薮ばかり。


神社のほうへ引き返しても、やはり薮。


おかしい、ここの薮の道はこんなに広くないはずだ…。

ここは、どこ…?


そのとき、遠くから人影が見えてきた


だ、誰…!?


私は、総司の血がついた短刀を構えた。


現れたのは、狐のような耳が生え、禍々しい仮面をつけた男だった。


「く、クレナイサマ…?!」