「は?」

「おかしいよ。

ねえ、麗花が総司のこと好きだったった話はしたよね?


そんな麗花が大好きだった総司に殺された…。

そのことを麗花が知っていたら、どんな気持ちになるだろうね?

きっと、犯されるのと同じくらい怖くて、わけわかんなくて、悲しかっただろうね」

「…」


総司はしばらく黙り込んだあと、


「知るか」


と言い捨てた。


「それより、どうして髪切ったんだ」


総司がたずねる。


「アンタから離れるために決まっているでしょ」


私は冷たく言い放つ。


「俺、お前の長い髪結構好きだったのにな…。

いや、髪だけじゃない。

多分俺、お前のこと好きだった」


…は?

何を言っているんだ、こいつは。

今更そんなこと言われても。


「私も好きだった…かもしれない、総司のこと。

でももう無理。

殺人鬼なんか、もう好きになれないよ。

それに、犯人を返り討ちにしてくれるって約束したのに、嘘ついたんだもん。

嘘つきも殺人鬼も嫌いよ」

「それは残念。

じゃあ、せめて誰のものでないまま、綺麗な処女のまま死んでくれる?」


総司が、再びナイフを私に向ける。