暮れない夜、染まる紅(あか)

「沙苗…?」


沙苗の名前を呼ぶが、返事は聞こえない。


沙苗の部屋を覗いてみたが、沙苗の姿は見えない。


沙苗、一体どこに…?


俺は、家中を探した。

すると、風呂場に人影を見つけた。


「沙苗…?」


そこには、浴槽に手首を浸からせた沙苗の姿があった。

沙苗は白い顔で、ぐったりとしていた。

水の色は血の色で紅く染まっている。


俺はそのとき、何が起こったのか瞬時に理解した。


「嘘だろ沙苗…!沙苗!!」


俺は何度も何度も沙苗の名前を呼び続けたが、沙苗は返事をしなかった。


「死んでいる…」


なんで、どうして。

決まっている、そんなの。

儀式で起きたことのせいだ。

そのことを苦に、沙苗は自らの命を絶ったのだ。