暮れない夜、染まる紅(あか)

「でも、ちょっと良心が痛みますよね。

わざわざ犯さないと儀式にならないんだから」

田岡先生が言う。

良心?

お前らに、そんなものが存在するのか?

「ああ、クレナイサマは処女をひどく嫌うからなあ」

「変ですよね。

普通神様なら処女のほうがよさそうなのに」


どうやら、捧げ者は非処女でないとダメらしい。

だから、沙苗を犯したのだ。


知るか、そんなこと!

だったら最初から明らかに処女でなさそうな女を捧げ者に選べばいいじゃないか!

どうして、そんなことのために沙苗があんな思いをしなくてはいけないのか!


俺は、家に帰って母さんや沙苗に今のことを伝えようとした。

しかし、家には誰もいなかった。

おかしい。

母さんはいいとして、沙苗が家から出るわけないのに。


嫌な予感がした。