暮れない夜、染まる紅(あか)

泣き喚く沙苗の声で、母さんが起きた。


「なによ、一体どうしたのよ。

さ、沙苗…!?どうしたのアンタ、その格好!

誰に、何されたの!?」


母さんが沙苗の手を握る。

沙苗は泣き喚くだけで、何も答えない。


「沙苗、とりあえずお風呂入ろっか。

ね?」


母さんがそう言うと、沙苗は小さく頷いた。


沙苗が風呂に入っている間、俺と母さんは向き合って座り、話し合った。


「儀式の途中で、きっと何かあったんだわ…。

一体なにが…」

「俺、昨日沙苗を連れ出したんだ」

「え!?」


俺は、昨日の夜のことを話した。


「そう…。

確かに毎年沙苗は花火を楽しみにしていたからね…。

でも、それは今のこととは関係なさそうね」

「そっか…」


じゃあ、一体沙苗に何があったんだ…?