暮れない夜、染まる紅(あか)

俺と沙苗は神社を出て少ししたところで座り込んだ。


「まずは何食べたい?」


俺がたずねると、沙苗は嬉しそうに袋の中を覗き込んだ。


「えー、迷うなあ。

やっぱり、最初は甘い物よりしょっぱい系だよねー。

たこ焼きかフランクフルトか…。

うーん、どっちにしよう?」


沙苗が俺の顔を見る。

俺に選んでほしいってことなのか。

そうだな…。


「フランクフルトは?」

「うん、じゃあたこ焼きにしよう!」


おい。

なんで俺に聞いたんだよ。


「いただきまーす」


沙苗がたこ焼きを一つ食べたとき、ちょうど花火が始まった。


色鮮やかな花火が、暗い空に飾り付けられる。

あー、やっぱり紅祭りの花火は最高だ。


「冷えたたこ焼きは舌がヤケドしないからいいねー!

花火も綺麗だし。


お兄ちゃんのお陰で最悪なお祭りが、まあまあ楽しいお祭りになったよ」

「まあまあ程度かよ」


それから花火が終わるまで、俺達はずっとそこにいた。