「あ、見て見て」


麗香が指をさして空を見上げる。

私も同じように、空を見上げる。


「あ…花火……」


空には、綺麗な赤い花火がたくさん打ち上げられていた。

なんて綺麗な赤色なんだろう………。

いやこれは赤というより…紅かな。


周りの人達も、空に咲く大量の花火に夢中になっているようだ。

気付けば、回りの屋台は次々にたたまれていく。

花火はお祭りの終わりを知らせる合図なのだ。


「今年の祭りは、もう終わりだね……」


少し寂しそうに、麗香が呟いた。


「うん、そうだね……」


花火を見ながら、私は答える。


来年は、この花火を総司と一緒に見られたらいいな……。


私は、そう思った。