紅祭りの日がやってきた。

神社周辺には出店がたくさん並んでいる。


「今年も賑わってるなあ」


俺は一人で祭りを楽しんでいた。


「あれ、総司じゃん。

また一人で回ってるの?」

「やっほー、総司君」


三里と今居だ。


「ああ、誰かさんが中学に上がってから一緒に来てくれなくなったからな」


誰かさん、というところを強調して言った。

そう、毎年祭りは三里と一緒だったのに中学から三里は今居と祭りに行くようになったのだ。


「あーら、一人で勝手にはしゃいでいつも女の子をひとりぼっちにさせる誰かさんは誰だったかしら?」


負けじと三里は言い返す。

間にいた今居が笑う。

「仲がいいなぁ、二人とも」

「「どこが!」」


俺と三里の声が重なる。

すると、また今居は笑った。


「ほら、仲良し」


と。