すごい拒否っぷりだな…。

ある意味清々しいというか…。


「あーあ、花火見たかったのになあ……」

「そんなにかよ」

「お兄ちゃん、お祭りオタクのくせに知らないの?

紅祭りの花火はね、日本でもかなりレベルが高いんだから。

毎年楽しみにしてたのになあー…。

はあ…」


もう何度目かわからないため息を沙苗はついた。

沙苗は本当に残念そうにしていた。


紅祭りの花火が有名なのはもちろん知っていた。

しかし、そんなに沙苗が花火を楽しみにしていたなんて、知らなかったな。


そうか、沙苗は花火が見たいのか…。