次の日の朝、登校中に


「おはよう」


と幼なじみの三里に挨拶された。


「はよー」

「なんか眠そうだね」


三里の隣にいた今居が言う。


「あー、昨日母さんが家中のタンス漁ってた音で眠れなくて」

「白い服探してたから?」


今居がそう言ったので、俺はびっくりした。


「なんでわかったんだ」

「えー、だってもっぱらの噂だよねー」

今居は三里の顔を見る。

三里は、

「うんうん。

妹の沙苗ちゃん、今年の紅祭りの捧げ者に選ばれたんでしょ」


と答えた。


「え、なんで知ってるんだよ。

沙苗か母さんが村中に、言ったのか?」

「ううん。

近所の大山のおじさんが村の本部の人なの。

あそこのおばちゃんすごくおしゃべりで、私はおばちゃんから聞いて知ったよ」

「私もー」

三里の近所の大山のおばさんといえば、優しくて明るい人だが、優しさが行き過ぎてお節介なところがあるのであまりいい印象じゃない。

そうか、あのおばさんが話したんだとすると、もう村中にこの話は広がっいてるな。