俺がそう言うと、沙苗はグーで俺の頭を殴った。

「痛っ!!」

「あのねえ、私だってそこそこモテるくらい可愛いんだからね!」

「へえ、もの好きもいたもんだな。

まあ、顔はそこそこだったとしても、その暴力的な性格じゃあ誰も彼氏にはなってくれないよな」


俺がそう言うと、また沙苗は俺を殴った。


「こら沙苗、あんまりお兄ちゃん殴らないの。

総司も総司よ」


と母さんが注意する。


「ていうか、捧げ者って断れないの?

私いやなんだけど!

お祭り全然回れないし、くらーーい部屋の中でお花持ってじーーっとしてなきゃいけないんでしょ?

絶対だるい!めんどい!

私、友達と花火見る約束してたのにぃー!!」