走っている間、頭の中で色々な映像が流れ込んでくる。


小学校の入学式のこと。

小学時代に総司とお祭りに行って一人ぼっちにされたときのこと。

小学校の卒業式のこと。


中学校で麗香と出会ったこと。


麗香とお祭りではしゃいだこと。


私と麗香と総司の三人で並んで帰ったこと。


…麗香が奴に殺されたこと。


そして、麗香の最期の願い。

『私っ、みさ、とには生きて…ほしい。

私の…ぶ、ん…まで…。


私の最後のお願い…聞いてくれる……よね……?』


そうだ、私は生きなくちゃいけないんだ。

麗香の最期の願いを、約束を守らなくては。


走って、走って、走って、走って…。


だけど、まだ薮を抜けることができない。

ここの薮の道…こんなに長かったっけ…?