今、何時だろう…。


そう思ったときだった。


「うわあああああああああああああああああああ!!

やめろ、こっ、殺さないでくれええええええええええええ!!」


私の耳に入っていたのは、総司の叫び声だった。


「総司…?」


犯人が、襲ってきた…!?

総司が、殺された…!?


「バカ…」


返り討ちにしてくれるって、約束してくれたじゃない。

なんで、なんで…。

バカ、バカ、バカ…。


「総司のバカ…」


許さない、犯人め。


私は、手に持っていた紅花を捨てた。


そして流れる涙を拭って、クレナイサマの像から短刀を抜き取り、像の裏に隠れた。


犯人、待っていろよ。

私が、総司の代わりにお前を返り討ちにしてやるよ。


今まで殺された捧げ者のみんなの分と、総司の分の仇をとってやる…!


ギッギッギッ…。

犯人の足音が近づいてくる。

そして、部屋の扉が開かれ、外の生暖かい空気が部屋に流れ込んでくる。


私は、唾を飲んだ。