一人、ただ神社の周りをぐるぐる回る。

時が経つにつれて、野次馬が集まってきた。


「あの子よ、次の捧げ者…」

「また若い子じゃない。

可哀想ねえ」

「でも噂に聞いたところによると、何でもクレナイサマをバカにしたとかなんとか!」

「本当に?そりゃあ仕方がないな」


「おい」


野次馬の声に紛れて、聞き慣れた声が聞こえた。

振り向くと、総司がいた。


「総司」

「おう、なんかお前注目の的だな」

「当たり前でしょ。

殺されるんだから、多分」

「そうだよな…にしては、お前そんなに落ち込んでないよな」

「…そうだね。

なんでだろう……。


死にたいわけじゃないよ。

麗香の分まで生きなきゃいけないのに…。


総司は?悲しくないの?

だって、今まで見張りの男の人も殺されてきたんだよ。

総司も、殺されるかもしれないよ?」

「そうだな、返り討ちにしてやるよ」


総司は、自信ありげに言った。