儀式中は、神社の中に紅花以外のものを持ち込んではいけないらしいからである。

「ごめんね、三里ちゃん…」

調べられている間、大山のおばちゃんから何度も謝られた。

「どうしておばちゃんが謝るんですか。

おばちゃんは、何も悪くないですよ」

「…でも、三里ちゃんのこと小さい頃から知ってるのに、助けてあげられないもの……。

こんなに殺人が起こっているのに、儀式を続けるのはおかしいのに…。

本部が怖くて、逆らえなくて…本当にごめんね…」


最後に、私はお祭りを楽しむ時間を与えられた。


初めてたった一人で過ごすお祭り。

もう、隣に麗香はいない。


出店は、一軒も存在しないのにお祭りなんて…笑っちゃう。

こんなの、どうやって楽しめっていうのよ。