朝、私は白いワンピースに着替えていた。

大きな鏡の前に立って、自分の姿を眺める。

罰として捧げ者に選ばれた私は、今まで選ばれた捧げ者の中で最も地味に見えた。


「三里…」


お母さんが私の名前を呼ぶ。


「ねえ、本当に逃げないの?

お父さんはああ言っていたけど…。

私は、三里は逃げるべきだと思うの。

祟りなんてもう、どうでもいいから…!」


私は、首を横に振った。


「ごめんね、お母さん。

私だって逃げたいよ。

でも、麗香は逃げなかったから私が逃げるわけにはいかないの」


「…そう」


昼頃、私は神社の近くで大山のおばちゃんを含めた村の女性数人から身体検査を受けていた。