胸騒ぎがした。


『実はさ…。

俺、今度の紅祭りの儀式の見張り役に選ばれてしまったんだ』


え…?

総司が見張り役…って!?


「今まで、見張りは村の本部の人だったのに?」

『ああ、本部はジジイばっかりだから殺されたんじゃないのかって。

だから若い男の俺が選ばれたんだ』

「そんな…」


総司まで…。


「いやだ、そんなの。

総司、殺されちゃうよ!麗香みたいに!」

『…同じようなことを母さんが言ってきてさ、紅祭りまで家から出してくれないっぽい。

だから、本持っていけない。

ごめんな』

「ううん…いいよ。

不謹慎かもしれないけど、総司と過ごせる最後の時間かもしれないもんね…。

仕方ないよ…」

『本当にごめん。

じゃあな』

「うん…」