暮れない夜、染まる紅(あか)

部屋には、クレナイサマの像が端のほうにあるだけだった。

狐のような耳が生え、禍々しい仮面をつけ、短刀を構えた人間の男のような姿。

何故それがクレナイサマだとわかったのかというと、昔、小学校に村の男の人がやってきて、クレナイサマのことについて話してくれたからだ。

そのときは、紅祭りの儀式が始まった理由などは教えてくれなかったけれど…。


像はかなり大きく、人が一人身を潜めることができるくらいだ。

そういえばあの夜、麗香がここに隠れていた。

麗香…。

って、ネガティブになっちゃダメだ。

麗香と約束したんだから。

麗香の分まで生きるって。


とりあえず、私はこの像を調べることにした。