大丈夫、まだ紅祭りまで六日もある。

私は自分にそう言い聞かせて、村にある唯一の図書館へ向かう。

そこはとても小さな図書館で、調べものをするには少し頼りないが、そこしかないのだから仕方がない。


図書館には、係の人以外誰もいなかった。

普通なら夏休みだから、読書感想文を書くための本を選んでいる子どもが何人かいてもおかしくない。

しかし、ここは子どもの少ない村。

なので、児童書コーナーすらない。


私は、紅祭りやクレナイサマにまつわる書物を探した。

図書館の端から端まで調べたが、どこにもそれらしきものは見当たらない。

そんな…。

ここだけが頼りだったのに…!

どうして、紅祭りやクレナイサマにかんする本がないの…?