「ありがとうございます。

実は、去年の紅祭りの儀式のことなんですけど…。

去年の儀式で、失敗があったから今年祟りが起きたのではないのかと言われているんです」

『…沙苗のせいで祟りが起こったと言いたいの?

そもそも、祟りなんてあるわけないじゃない。

クレナイサマ祟りなんて言ったら、村から何されるか、あなたわかってるの?』

突然、きつい口調で言い返される。

「もう、捧げ者に選ばれてしまいましたから、いいんです。

それに、村の本部の人達も、あまり表立って言わないけれど、これは祟りだと思っています。

が、私は祟りだとは思いません。

だって、私見たんです。

この間の紅祭りの夜、私は麗香を連れ出したんです、神社から」