そもそも、どうしてそんな噂が流れたのかもわからないし…。

うちのクラスにその噂を流した男子の連絡先は知らないし…。

聞きづらいけど、総司の家をたずねて、沙苗ちゃんに直接去年の紅祭りの儀式について聞くしかない。


お父さんとお母さんが言うには、私が捧げ者となる紅祭りのやり直しが行われるのは、今日からちょうど一週間後。


まだ、時間はある。

私、生き残ってみせるから。

麗香から助けてもらった命、大切にするよ。


翌日、私は早速総司の家に電話を入れた。

電話には、総司のお母さんが出た。


『もしもし、どなたですか?』

「私、吾妻三里です」

『あら三里ちゃん。

今、大変じゃないの?

その…お祭りの捧げ者になっちゃって…』