私達は、まず綿飴を買うことにした。


「大山のおばちゃん!綿飴ください」

「あらあら、三里ちゃんに麗香ちゃん。

来てくれたんだね、ありがとう。

はい、二百円ねー」


おばちゃんの手から、ふわふわの綿飴が渡される。


綿飴を一口分に千切って口に含む。


「甘くて美味しい~」

「やっぱり、祭りといったらこれだよね!」


私達が綿飴を楽しんでいるところへ、


「よっ!相変わらずガキっぽいの食ってるな」


とバカにする声。

この憎たらしい声の主はアイツしかいない。


「あー、総司君」


黒いTシャツに、ジーパン姿といった普通の格好の総司。

せっかくのお祭りなんだから、もっとオシャレすればいいのに。


「いいじゃん、別に綿飴くらい。

お祭りオタクのどこかの誰かさんより、よーっぽどマシだと思うけど」


と私は言い返す。