暮れない夜、染まる紅(あか)

「離すんだ!

今、三里は言ってはいけないことを言ったんだ!」

それでも、お父さんは私を殴ろうとする。

「ねえ、お父さんにそこまでさせるクレナイサマって…なんなの?

村の、特に大人の男の人は大体そう。

クレナイサマのことをバカにすると怒るクレナイサマ信者。

人の命よりも、クレナイサマを崇めることを優先するの。

ねえ、お父さん…お父さんにとって、みんなにとってのクレナイサマってなんなの?」


私は、真っ直ぐお父さんの目を見て質問した。

すると、お父さんは振り上げようとした拳をゆっくりと引っ込めた。

ほっとお母さんが安心した。


「クレナイサマは…」


お父さんが、ついにクレナイサマのことについて語り始めた。