お母さんが反論する。

しかし、お父さんも意見を曲げようとはしない。


正直、お父さんのことはショックだった。

さすがに、私のほうが大切だって、言って欲しかった。

それでも、クレナイサマのほうが大切なんて…。


「私ね、言っちゃったんだ…」

私は、私が捧げ者に選ばれた理由を両親に打ち明けることにした。


「『クレナイサマなんて、消えてしまえ』って…」

すると、お父さんは目を見開き、顔を真っ赤にさせ、これ程かというくらい大声で怒鳴り散らす。

「なんてことを言ったんだ、お前は!!」


私に殴ろうとするお父さんを、お母さんが必死で止める。


「やめて、ねえ、やめて!!

三里を殴らないで!!」