ピンポーン。


下で、家の呼び鈴が鳴る音がした。


「はい」


お母さんが出る。


「あら、総司君。

三里?三里なら今部屋にいるけど…」


下からお母さんの声が聞こえた。

総司?

なんで、総司が家に?


「三里、総司君が来たんだけど…」


総司が何故私の家を訪ねてきたのかは知らないが、今は誰かと会ったり話したりしたい気分ではない。


「帰ってもらって」


私はそう言ったが、


「せっかくの夏休みなのに、誰にも会わないで過ごす気?

いいから、会ってきなさい」


とお母さんに言われ、私は渋々玄関へ向かい、総司に会った。