目を開けると、真っ白なものが見えた。
まるで、最後に麗香が着ていた儀式の服みたいに、白い空間。
ここは、天国?
だとしたら、麗香がどこかにいるかもしれない……。
麗香を探そう。
そう思って、私は足を動かそうとした。
だけど、足が動かない。
「あ、れ……?」
ここ、天国じゃない……。
ここは………病院…………?
「おい、三里が、三里が目を覚ましたぞ!!」
「三里!三里!!」
「お父さん……お母さん………」
私は、どうやらまだ生きていたようだ。
お母さんの説明と、私の体験を照らし合わせてみるとこうだ。
あの犯人は、私が薮の中でいつの間にか落としていたハンマーで、私の頭を殴ったらしい。
しかし、私は軽い脳震盪で気絶したこと以外、何もなかった。
私を仕留めたと思い込んだ犯人は、その場を立ち去った。