「麗香、頑張って。

きっと、あと少しだよ」

「あと、少し………?」


傷だらけでボロボロの顔の麗香が、私に問いかける。


「本当に、あと少し……?」

「うん。

だから、奴がいなくなったらすぐにここを抜けて、私の家に…」

「無理だよ」


麗香は、冷たく言い放った。


「え…?」


麗香…?


「無理って…。

なんで、そんなに簡単に諦めちゃうの!?」

「だって、こんな足じゃ…逃げられないよ」

「確かに痛そうだけど…。

でも、なんとか頑張れば…!」

「無理…。

さっき、捻っちゃったんだもん…」

「そんな…」

「きっと、私はアイツに捕まっちゃう…。

三里も、巻き添えにされちゃうかもしれない…」

「そんなのいいよ!」