「そんなことより、麗香、ここから逃げるよ」


私がそう言うと、麗香は首を横に振った。


「どうして!」

「だって、私が逃げたら…」

「私達のことなんでどうでもいいよ!

私達は、村八分にされるよりも、麗香が死ぬほうがずっと辛いよ、悲しいよ!

そんなのいやだよ!」

「三里…!」


私の言葉で、麗香はようやくわかってくれたようだった。

自分が生き残ることが大切なんだと。


そして私達は、神社から逃げ出した。